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「HOTEL×SDGs」 

はじめに 

たまには建材メーカーの読み物らしく(?)建物、施設とSDGsについて考えてみようと思います。 

施設の中で、衣食住がそろっているホテルでの取り組みはどうなっているでしょうか。 

生活が凝縮されている空間であるホテルでの取り組みは、きっと私たちの生活に役立つのではないかと期待し、日本ホテル協会に加盟しているホテルのHPなどを調べてみました。

ザングトガレン修道院

Hotelの語源 

まずはホテルの事を知るために、語源を調べてみましょう。 

語源は英語の「hospitality(ホスピタリティ)」やラテン語の「Hospes(ホスペス)」で、「客人をもてなす主人」という意味です。「Hospes」から派生した言葉には、他に「hospice(旅人の休息所)」や「hospital(病院)」があります。中世ヨーロッパにて巡礼途中の旅人や、十字軍の兵士達がスイスの峠を越えるとき、修道院へ休息を求め、快く受け入れて守って貰ったことが、ホテルへ繋がる始まりだとの事です。「外から来た人を受け入れ、もてなし、守る」がホテルの原点なのですね。 

 

  

HOTEL×SDGs 

日本ホテル協会に加盟しているホテルのHPより様々なSDGsへの取り組みを調べました。 

17の目標に当てはめて見ていきます。 

  

目標1 貧困をなくそう

目標2 飢餓をゼロに 

・フードロスの削減:「ベジブロススープ」を従業員食堂で提供、廃棄物を削減 

・地産地消:地元の食材、ワイン、地酒などの提供 

・生ごみリサイクル:生ごみを堆肥化し農作物を育てる際に使用→安心、安全な食の提供へ 

・ペットボトルキャップ回収運動:キャップ代金を「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」へ寄付 

・寄付つき宿泊プランを提供 

 

目標3 すべての人に健康と福祉を

目標10 人や国の不平等をなくそう 

・多様な言語に対応 

・バリアフリーに対応した部屋を用意 

 (バスタブ用手すり、シャワーチェア、トイレ用背もたれクッションの無償貸出、低い位置のハンガーバー設置、車いすに乗ったままで使用できる高さのコンセントや、冷蔵庫やドアモニターの設置) 

・HPにて、車いすのお客様への客室の仕様を、断面図や平面図にて確認できる 

 (ベッド脇の通路の幅や扉の幅、シャワーヘッドの高さ、洗面台の高さなど) 

・補助犬用の食器やマットの無償貸出 

 

目標4 質の高い教育をみんなに 

・地域に根ざした体験型ワークショップの開催 

・食品衛生講習会の開催 

・地元の小中学生の職場体験、高校生・専門学生などのインターンシップ受入れ 

  

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

目標8 働きがいも 経済成長も 

・ユニフォームの多様化 

・従業員の子育て、介護のサポート、保育室の設置、休暇制度充実 

 

目標6 安全な水とトイレを世界中に 

・天然地下水の利用 

・節水できるシャワーヘッドの導入 

・クリーニングの際の水資源保全の為、連泊のお客様のリネン類の交換回数の削減 

 

目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

目標11 住み続けられるまちづくりを  

目標13 気候変動に具体的な対策を 

・屋上緑化 

・ヒートアイランド対策として井戸水を使用して打ち水 

・廃食油のバイオディーゼル燃料化 

・使用済み天ぷら油を軽油の代替燃料としてリサイクル 

・エコガラスの使用→空調への負担を減らす 

・LED照明・LEDパネルの導入 

 

目標12 つくる責任 つかう責任 

・食品ロスの削減(ホテルバイキングのロス削減の工夫など) 

・社内文書のペーパレス化 

・使用済み割り箸を製紙会社へ送りパルプの原料とする 

・脱プラスチック(客室アメニティ:歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリを竹製・木製へ変更) 

・少量のトイレットペーパーを従業員用として使用 

 

目標14 海の豊かさを守ろう 

・プラスチック削減 

・バイオマスレジ袋使用 

 

目標15 陸の豊かさも守ろう 

・社内文書のペーパレス化 

・使用済み割り箸を製紙会社へ送りパルプの原料とする 

 

 

おわりに 

今回はHOTEL×SDGsについて調べました。現代のホテルは、旅行やビジネスで利用するものですが、災害などの非常時には、まさに「人々を受け入れ、もてなし、守る」という中世ヨーロッパで始まったホテルの起源の役割を果たしているのだなと思いました。 

SDGsへの取り組みをHPに載せているホテルや経営企業は、まだとても少ないのが現状ですが、「少量のトイレットペーパーを従業員用として使用する」や、「ベジブロススープを従業員食堂で提供する」など、細やかな心遣いの日本ならでは!の取り組みが沢山あり、他の企業の参考としても、発信が増えると良いと思います。「節水できるシャワーヘッドの導入」は早速我が家でも取り入れました。 

一方で、調べているうちに課題も見えてきました。今回調べたホテルの総支配人は、9割以上が男性でした。また、障害を持っている人への、配慮ある取り組みを明記している施設は少なく、補助犬に関しては更に減ってしまいます。目標3、目標5、目標10は日本全体として、まだまだ課題の多い部分ですが、日本のホテルや施設が、障害を持っている人も、補助犬と一緒の人も、だれもがサービスを受けられる様になったら、また一つ世界に誇れる日本のおもてなし文化になるのではないでしょうか。 

ホテルで働く人や利用する人にとって、快適に過ごすためのヒントがSDGsへの取り組みの中にあるのだと思いました。 

 

※「補助犬ロゴマーク」 厚生労働省

身体障害者補助犬法の啓発のためのマークです。 

身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことを言います。「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設は、身体障害のある人が身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務があります。 

 

  

おまけ 

時節柄、ホテルにおけるウイルス対策も調べてみました。 

・マスク、フェイスガードの着用 

・除菌スプレーにてこまめに拭き掃除 

・検温、アルコール消毒液の設置 

・アクリル板の設置 

・頻繁な換気 

これらはどのホテルのHPにも載っていました。 

ホテルロビーやレストランでの取り組みが主です。窓が開けられないような客室空間へのウイルス対策も進んでいけば、さらに安心・安全な宿泊ができますね。 

  

※こちらの記事も併せていかがでしょう。 

「SDGsについて日本の今を考えてみよう」

「食品ロスについて知ろう」 

「廃棄食材から+1」~第1回ベジブロス~ 


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